日本国内で観測されるPM2.5（微小粒子状物質）は、主にどこから発生しているのでしょうか？特に現在の時期における発生源の割合について、最新のデータをもとに詳しく解説します。
PM2.5とは？
PM2.5は、大気中に浮遊する直径2.5マイクロメートル以下の微小な粒子状物質の総称です。これらの粒子は非常に小さく、肺の奥深くまで入り込みやすく、呼吸器系や循環器系に悪影響を及ぼす可能性があります。主な成分としては、炭素成分、硫酸塩、ケイ素、アルミニウムなどが含まれています。
PM2.5の発生源
PM2.5の発生源は大きく分けて2つあります。1つは「一次生成粒子」で、これは直接的に排出される粒子です。もう1つは「二次生成粒子」で、大気中で化学反応により生成される粒子です。一次生成粒子の発生源としては、自動車の排気ガスや工場の煙、焼却施設などが挙げられます。二次生成粒子は、硫黄酸化物や窒素酸化物などが大気中で反応して生成されます。
現在の時期におけるPM2.5の発生源割合
関東地方におけるPM2.5の発生源寄与率は、国内発生が約50%以上を占めており、中国からの飛来が約40%程度とされています。特に冬から春にかけては、暖房や工場の稼働などにより、国内発生が増加する傾向があります。
黄砂とPM2.5の関係
黄砂は、中国の砂漠地帯から強風により運ばれる砂塵で、春先に日本に飛来します。黄砂自体はPM2.5よりも粒径が大きいですが、黄砂が通過する際に大気中の汚染物質と結びつき、PM2.5の濃度が上昇することがあります。特に3月から5月にかけては、黄砂の飛来が多く、PM2.5の濃度が高くなる傾向があります。
PM2.5の健康への影響
PM2.5は非常に小さな粒子であるため、肺の奥深くまで入り込みやすく、呼吸器系や循環器系に悪影響を及ぼす可能性があります。喘息や気管支炎などの呼吸器疾患や、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患のリスクが高まるとされています。
まとめ
現在の時期における日本のPM2.5の主な発生源は、国内発生が約50%以上を占めており、次いで中国からの飛来が約40%程度とされています。黄砂の飛来により、PM2.5の濃度が一時的に高くなることがあります。PM2.5は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
コメント