遠距離震源地からの地震の振動はなぜ感じることがあるのか？ – 長野県で観測された震動について

先程、石川県能登地方でM2.7の地震が発生しました。震源から100km以上200km未満の距離に位置する長野県でも、震動を感じたという報告がありました。こうした現象は実際に起こるのでしょうか？そして、震源からの距離によって地震の振動を感じるメカニズムについて解説します。

1. 地震の震動が遠くまで伝わる理由

地震の震動は、地震波（P波、S波）として地面を伝わり、遠く離れた場所でも感じることができます。震源からの距離が遠くても、地震の規模が大きかったり、地震波の伝わり方が強かったりすると、震動を感じることがあるのです。

例えば、M2.7という小さな地震でも、発生場所の地下構造や地盤の種類によっては、震動が長距離にわたって伝わり、100km以上離れた場所でも感じることが可能です。

地震の規模は「マグニチュード（M）」で表され、M2.7は比較的小さな地震ですが、震源が浅く、周囲の地質条件によっては揺れが広がりやすくなります。特に震源が浅い場合や、震源地周辺に強い地震波を伝える地質がある場合、長距離にわたって震動を感じることがあります。

また、長野県のように比較的山間部の多い地域では、山々や地面の構造が地震波を反射・屈折させることがあり、その影響で揺れを感じやすくなることもあります。

地震波が遠くまで伝わる理由は、地震波が地面を震わせる力の伝達方法にあります。地震波は地面を震動させ、そのエネルギーが周囲に広がります。波の強さが時間とともに弱まるものの、地震の規模や震源の深さによっては、100km以上離れた場所で感じられることがあるのです。

特に、P波（圧力波）は非常に速く、最初に到達しますが、S波（剪断波）の方が人間に感じられる振動を引き起こします。距離が離れていても、地震の規模や地盤の特性によって感じ方に違いが出ます。

通常、M2.7程度の小さな地震は近くでない限りほとんど感じませんが、周囲の環境や地盤の状況により、震源から遠い場所でも揺れを感じることがあります。長野のように、地形的に地震波を増幅させる要素がある場所では、予期しない場所で震動を感じることがあるため、地震の観測情報を確認することが重要です。

また、震源地の周囲の地質構造や建物の耐震性も、感じる揺れの強さに影響します。たとえ距離が遠くても、地盤や建物の構造によって揺れを強く感じることがあります。

石川県能登地方でのM2.7の地震が、長野県でも感じられることは実際にあり得ます。震源からの距離や地盤の特性が、地震の揺れをどれだけ遠くに伝えるかに大きな影響を与えます。地震の規模や発生地に関係なく、地震の震動を感じることができるということを理解しておくと、いざという時の備えにも役立ちます。