原子爆弾は空中で爆発したのか?地上で爆発したのか?

原子力

第二次世界大戦末期に広島と長崎に投下された原子爆弾について、「爆発は落下途中で起きたのか、それとも地上で起きたのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。実は原爆は、通常の爆弾のように地表で爆発するのではなく、特定の高度で空中爆発するよう設計されていました。本記事ではその理由と仕組みについて詳しく解説します。

原子爆弾は空中で爆発するように設計されていた

広島に投下された「リトルボーイ」と長崎に投下された「ファットマン」は、どちらも地上に到達する前に爆発するように設定されていました。広島では約600メートル上空、長崎では約500メートル上空で爆発しています。この空中爆発によって、爆風と熱線の被害を最大限に広げることができたのです。

なぜ空中で爆発させる必要があったのか

もし地上で爆発した場合、エネルギーの多くは地面に吸収されてしまい、被害の範囲が限定されてしまいます。一方、空中で爆発させれば、爆風が球状に広がり、より広範囲に壊滅的な被害をもたらすことができます。これを「空中爆発効果」と呼びます。

具体例:広島と長崎の違い

広島に投下されたリトルボーイは約600メートルの高度で爆発し、市街地の大部分が壊滅しました。長崎に投下されたファットマンは約500メートルで爆発しましたが、山に囲まれた地形のため、広島ほど均等には被害が広がりませんでした。このように、同じ空中爆発でも地形条件によって被害の出方に違いがありました。

爆発の仕組みと安全装置

原爆には、高度測定のための装置が搭載されており、所定の高度に達すると自動的に爆発する仕組みが備えられていました。これは「気圧センサー」や「レーダー信管」によって制御され、落下中に誤って爆発しないよう複数の安全装置も組み込まれていました。

まとめ

原子爆弾は地上で爆発したのではなく、広島では約600メートル、長崎では約500メートルの上空で爆発しました。空中爆発によって爆風や熱線を最大限に広げることが目的であり、その結果、広島と長崎では甚大な被害が生じました。この仕組みを理解することで、原子爆弾の破壊力の恐ろしさと科学技術の使い方の重大性を改めて考えることができます。

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