近年、日本各地で地震が相次ぎ「自分の地域でも地震が増えているのでは?」と感じる方は少なくありません。特に中部、関西、中国地方は内陸型地震が目立つ地域として知られており、不安の声も多く聞かれます。本記事では、最近の内陸地震の傾向と防災の視点から正しい理解を解説します。
中部地方の内陸地震の特徴
中部地方は糸魚川静岡構造線やフォッサマグナといった大規模な地質構造が存在し、内陸型地震が発生しやすい地域です。実際、過去には2004年の新潟県中越地震や2011年の長野県北部地震などが発生しています。最近も長野県や岐阜県を中心に有感地震の発生が報告されていますが、統計的に見て特別に急増しているわけではなく、活断層分布に伴う自然な揺れといえます。
一方で、断層帯が多い地域である以上「いつどこで起きても不思議ではない」というリスクを常に抱えています。
関西地方における地震の傾向
関西地方は有馬高槻断層帯や上町断層帯など、都市部に近い活断層を多く抱えています。1995年の阪神・淡路大震災はその典型例です。近年も和歌山県や大阪府で小規模な内陸地震が発生しており、関西に住む人々の防災意識を高めています。
特に南海トラフ地震との複合的なリスクがあるため、内陸地震と沿岸型地震の両方に備えることが重要です。
中国地方の内陸地震
中国地方は比較的地震が少ないイメージがありますが、実際には鳥取県西部地震(2000年)や鳥取県中部地震(2016年)など大きな被害を出した地震も発生しています。最近も島根県や山口県で有感地震が報告されるなど、完全に「安全」とはいえません。
中国地方は活断層の密度は関東や中部ほど高くないものの、突発的に大きな揺れが起こる特徴があります。
「最近増えている」と感じる理由
実際に観測データを分析すると、ここ数年で内陸地震が急激に増えているわけではありません。そう感じる背景には、ニュースやSNSなどで小さな地震も取り上げられる機会が増えたことが大きく影響しています。
つまり「体感的に増えている」と感じやすくなっているのです。とはいえ、日本は地震多発国であり「今後必ず起こる」という前提で備える姿勢は重要です。
内陸地震に備えるためにできること
日常生活の中でできる備えとして、家具の固定や避難経路の確認、非常食や飲料水の備蓄などがあります。特に内陸地震は都市直下型のケースが多いため、建物の耐震性を確認することは命を守る第一歩となります。
また、気象庁や自治体が発表する地震情報を正しく理解し、噂や不確かな情報に惑わされないよう注意することも大切です。
まとめ
中部、関西、中国地方では過去から現在に至るまで内陸地震が発生しており、「最近多い」と感じるのは情報量の増加も影響しています。統計的に急増しているわけではないものの、活断層が多い日本に住む以上、いつでも備えが必要です。冷静に現状を理解し、防災意識を高めることが安心につながります。
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