「1回目の投票では 高市早苗 氏がトップだったのに、最終的には 石破茂 氏が逆転勝利した」――そんな状況を巡って“議員票+党員票”“派閥の動き”“支持基盤の性質”などを手がかりに分析してみます。
自民党総裁選の仕組み:議員票・党員票・決選投票
まずは選挙制度そのものを押さえておきましょう。自民党総裁選では、①国会議員(党所属議員)による投票、②全国の党員・党友からの投票が組み合わさる方式が一般的です。
そのうえで、過半数を得られない場合には上位2人による決選投票(ランオフ)
例えば今回の選挙では、1回目で高市氏が181票、石破氏が154票だったと報じられています。
[参照]([参照](https://www.dailyshincho.jp/article/2024/10010550/))
1回目で先行した高市氏と、その背景にあった党員・党友票
1回目で高市氏がトップに立った理由として、次のような点が挙げられます。
・全国の党員・党友票で相対的に強かったこと。
・支持層が、党員・党友層(全国的な浸透)に響く政策・メッセージを出していた可能性。
実例として、報道によると高市氏は1回目で議員票72票・党員・党友票109票を得て、合計181票としています。石破氏は議員票46票・党員票108票で154票。
[参照]([参照](https://www.dailyshincho.jp/article/2024/10010550/))
決選投票で石破氏が逆転できた要因 ~議員票の流れと「結集」の仕組み~
決選投票で石破氏が逆転できた背景には、特に議員票(国会議員の票)の動きや派閥・支持関係の再構成が鍵となったと見られています。
[参照]([参照](https://www.shueisha.online/articles/-/251673))
主な要因としては:
・1回目で落ちた候補(あるいは支持者)が石破氏支持に回った。
・党内議員(議員票)では「政権運営を考えた支持」「派閥・グループの調整」が働きやすく、初動の党員票とは異なる動きをする。
・支持が“拡散”していた高市氏に対し、石破氏側が決選で“票を結集”できた。
実際、報道では「派閥のくびきが弱まった中で揺れ動く議員たちの様々な思惑」が逆転の背景にあったとされています。
[参照]([参照](https://www.shueisha.online/articles/-/251673))
国民支持と議員・党員支持の関係を整理する
「国民からの支持が強かったから勝った」という単純な図式になるわけではありません。ここで重要なのは、選挙制度ごとの支持母体の性質です。
・党員・党友票=全国の党員を含む“会員的”支持。政策メッセージ・全国運動が影響しやすい。
・議員票=国会議員という限られた数の票。“政局・派閥・将来図”などが影響しやすい。
そのため、「1回目で強かった=党員票+党友票の支持が大きかった」一方で、「勝つためには議員票の結集が必要」であり、結果として高市氏優勢でも石破氏が逆転し得たと整理できます。
実例から読み解く“逆転劇”の構図
具体的なケースとして、総裁選で決選投票に至った後、初回落選候補の支持層がどちらに流れるかが勝敗を左右したという見方があります。
例えば、石破氏の勝利について「第一投票では党員票・党友票で高市氏がリードしたものの、決選投票では落選候補の支持が石破氏に結集した」といった分析があります。
[参照]([参照](https://www.shueisha.online/articles/-/251673))
また、当日の議員票数や特定派閥の動きについては非公開の部分も多いですが、有識者によれば「議員側に“政権の代替わりならばこの人”という動きが生まれた」との指摘もあります。
[参照]([参照](https://www.reuters.com/markets/japan/NQCLXRFOJZOADG7H7MK65F4LYY-2024-09-27/))
まとめ
総裁選において「1回目でトップ=勝利」というわけではなく、特に決選投票になった場合は、議員票を巡る動きが勝敗を決める重要な要素となります。今回の例では高市氏が1回目で党員・党友票を含め優勢でしたが、石破氏が議員票などを結集して逆転勝利を収めました。
したがって、「国民支持(=党員・党友票)だけで勝てるわけではない」「議員票の流れ・派閥・支持集団の再結集が勝敗を左右する」という構図を理解しておくことが、今回のようなケースを読み解く鍵となります。

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