岩手県内陸北部での群発地震と津波注意報―なぜ内陸なのに津波?巨大地震の可能性は?

地震

岩手県の内陸北部で地震が頻発し、沿岸ではまだ「津波注意報」が出された状況があります。「内陸なのに津波が起きるのか」「この群発が将来の巨大地震に繋がるのか」――こうした不安を抱える人たちに向けて、地震・津波・群発地震のメカニズムを解説しながら、冷静に備えるためのポイントを整理します。

内陸地震と津波 ― 通常は源になりにくいが完全に無縁ではない

一般的に「津波を起こす主な地震」は、海底の断層運動(特に海溝型巨大地震)であり、震源が陸上・深部の内陸地震では津波のリスクは低くなります。

ただし、内陸地震でも沿岸部の地盤変動や斜面崩壊・河口からの土砂流入などが誘発され、局地的な津波・高波の可能性が生じることがあります。[参照]

岩手県・三陸沖・内陸北部における地震の特徴

たとえば、2008年6月14日発生の 岩手・宮城内陸地震(M6.9/震源深さ10km 程度)は、まさに内陸部で起きた震度6強の地震で、大きな揺れや山地の崩壊を伴いました。[参照]

今回「内陸北部で地震が頻発して、沿岸に津波注意報が出た」という報道もあり、震源位置・深さ・隣接する海域の状況・断層の種類などを慎重に見極める必要があります。[参照]

なぜ群発地震が起きるのか―群発と巨大地震リスクの違い

「群発地震」とは、比較的小規模〜中規模の地震が短期間に連続して発生する状況を指します。断層の調整過程・浅部の応力変化・プレート間・内陸断層・火山性など、原因は様々です。

ただし、群発地震 = 巨大地震の前兆という図式は必ずしも当てはまりません。巨大地震になるには、巨大な断層破壊・滑り・ひずみの蓄積・適切な条件が整う必要があります。例えば、震源が「浅く・海底に近く・大規模断層」であるといった条件が重なるケースです。

実例:群発 → 巨大地震に至った例・至らなかった例

実際の例として、2008年の岩手・宮城内陸地震は群発的な前震を伴ったのちにM6.9となりましたが、津波を伴う大規模な海溝型地震ではありませんでした。

一方、海溝型の例では、2011年の 東日本大震災(M9.0)では、前兆・群発活動ともに一定の傾向が観察されましたが、群発の発生 = 即巨大地震とは言えないということがコロナの研究からも示唆されています。

「沿岸に津波注意報が出ている」状況とどう対応すべきか

沿岸で津波注意報が出されているということは、海底や沿岸部における地動・地盤変動などがある可能性を気象庁等が確認したということです。内陸地震発生時でも、沿岸部の変動・斜面崩壊・堤防破損などから高波・津波を起こす可能性があります。

したがって、発表時には以下の点を確認し、避難行動に備えることが重要です:
・自治体・気象庁の「津波警報」「避難指示」が出ているか。
・沿岸・河口沿い・内陸低地の浸水リスクがないか。
・揺れが収まっても余震・追加の津波が来る可能性があるため、高所避難や堅牢建物に移動。
・避難袋・家族との連絡方法・避難ルートを事前に確認。

まとめ

岩手県内陸北部での群発地震と沿岸の津波注意報という状況は、確かに心配になりますが、内陸地震だから絶対津波は起きない/群発=巨大地震発生必至という単純な図式ではありません。

重要なのは、震源の場所・断層の種類・海底変動の有無・沿岸低地の状況を見て、自治体や気象庁の発表に忠実に対応することです。揺れや注意報を軽視せず、備えを整えておくことが、安心につながります。

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