ストーブの前でベンチコートを着たまま暖まる…火傷・発火のリスクと安全な使い方

避難所

寒い冬、ついストーブの前にずっと座ってベンチコートを羽織ったまま暖まるシーンを見かけます。しかし、その行為にはやけど・発火・衣類火災といったリスクが潜んでいます。この記事では“なぜ危ないか”、実際に起きている事例、さらに安全に温まるためのポイントを整理します。

なぜベンチコートを着たままストーブ前はリスクがあるのか

衣類やコートが熱源(ストーブ・ヒーター)に近づくと、熱が衣類素材に伝わり、やけどや燃え広がる火災につながる可能性があります。例えば、英国の消防当局は「衣類や毛布がヒーターに近づきすぎると火災の典型的な原因」だと警告しています。([参照](https://www.london-fire.gov.uk/safety/the-home/portable-heaters-gas-fires-and-open-fires/))

また、ゆっくりとした低温熱源との接触が「低温熱傷(low‑temperature burn)」を引き起こすことが医学的にも報告されています。([参照](https://en.wikipedia.org/wiki/Low-temperature_burn))例えば、暖房器具に長時間触れているだけで皮膚が深く損傷するケースがあります。

具体的な実例:起きている“衣類火災”のケース

東京都多摩地区の自治体では「衣類等が加熱器具に接触しすぐに発火、特に高齢者の火災死亡事故につながるケース」が報告されています。([参照](https://www.city.inagi.tokyo.jp/en/kurashi/iza/1011974/1012071/1012305.html))

また、欧米では「ヒーター近くで衣類を乾かす・ベンチコートをあてがう行為」が「乾燥中の衣類が発火源になった」とする消火活動報告もあります。([参照](https://www.corveeservices.co.uk/single-post/drying-clothes-on-heaters-why-it-s-a-bad-idea-and-unveiling-the-risks))

安全に暖まるためのポイント:ベンチコート使用時も安心に

ベンチコートを羽織る際には、以下のような点を意識すると安心です。

  • 熱源からの距離を確保:ヒーター・ストーブから少なくとも1メートル以上離れるようにしましょう。([参照](https://www.s4s.wandsworth.gov.uk/Article/83443))
  • 衣類素材・状態を確認:ウレタン・ダウン等の中綿入りコートは高温部位での加熱に弱く、熱がこもりやすいため注意が必要です。
  • 長時間の固定を避ける:同じ姿勢で長時間、且つ衣類が熱源に接近したままになると、ゆっくり進行する低温熱傷のリスクがあります。

さらに、ストーブ使用時は「ベンチコートを着たまま直接熱源に近づかない」「衣類をヒーターのそばで乾かしたり近づけておかない」なども併せて守るべき安全行動です。

ベンチコートを着るなら“正しい暖まり方”とは

ベンチコートを使うなら、次のような使い方がおすすめです。

  • 間接暖房の活用:ストーブやヒーターの熱を部屋全体に回し、コートは身体を覆った状態で「熱源直前」ではなく「部屋中央・少し離れた位置」で羽織る。
  • こまめに温度・位置を変える:身体が熱くなりすぎないよう、定期的に位置を変えたり脱いだりして体温調整を。
  • 着たまま眠らない:就寝時にヒーター近くでベンチコートを着たまま寝ると加熱継続・衣類火災・低温熱傷のリスクが高まります。

まとめ

ストーブの前にベンチコートを着たままでいる人を見かけると「暖かそうだな」と思いがちですが、実は やけど・衣類発火・低温熱傷 といったリスクが潜んでいます。熱源との距離を保ち、素材や時間に配慮すれば、安全に暖まることが可能です。

つまり、ベンチコートを着て暖まること自体が“ダメ”というわけではありませんが、“どう暖まるか”に注意することが重要です。寒さに備えつつ、安全な冬の過ごし方を意識しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました