昔の職場の知人がネットで「詐欺事件の容疑者」と報じられていた──そんなショッキングな経験をしたとき、「本当にあの人なのか」を確認したくなるのは自然なことです。しかし、個人の犯罪歴や逮捕歴を“だれでも簡単に調べられる”わけではありません。本記事では、日本国内で「本人かどうか」を確かめる現実的な手段と、なぜそれが難しいかを、法制度や実際の運用をもとに整理します。
日本での犯罪歴情報の取り扱い ― 公的情報は「限定的」
日本では、犯罪歴や逮捕歴は、捜査機関(警察・検察庁)や裁判所、関連自治体が管理しており、これらの情報は個人情報として厳重に扱われています。一般の人が簡単にアクセスできるものではありません。([参照] )([turn0search12])
報道機関による実名報道があったとしても、それはあくまで「報道」であって、公的な「証拠情報」ではありません。報道は削除されることもあり、永続的な記録とは限らないため、報道されたからといって、その人物が確実に“あなたの知人”であるとは言い切れません。([turn0search13][turn0search33])
では、どうやって“同一人物か”を確認できるのか? ― 実践できる方法
以下のような方法が理論上考えられますが、どれも「確実に本人か」を保証するものではありません。
- 報道内容の一致確認:報道記事にある年齢、住所、容貌の記載、事件の時期、共犯者の情報などが、過去あなたが知っていた相手の記憶と一致するかを慎重に比較する。
- 公開捜査情報の確認:もしその事件が「公開捜査・指名手配」の対象であれば、や各都道府県警察のWebサイトで該当の名前が出ているかを確認する。([turn0search1])
- 本人への直接確認:連絡が取れるならば、「報道で見た名前と同姓同名だけど本人ですか?」と聞いてみる。ただし、プライバシーや人権の観点から、相手の反応次第では関係性に亀裂が入る可能性もある。
ただし、これらはいずれも「確定的ではない」「相手の協力が前提」「法的な裏付けが弱い」という限界があります。
なぜ公的な「前科・逮捕歴の検索」はできないのか
まず、犯罪歴や逮捕歴の情報はプライバシー性が高く、個人情報保護の対象です。法制度上、ただ「この名前の人が逮捕されたか」を第三者が照会する権利は基本的に認められていません。([turn0search14][turn0search12])
また、仮に過去に「逮捕された」という報道があっても、それが必ず「有罪判決」や「確定した事実」を意味するわけではありません。有罪・無罪、起訴・不起訴、判決の確定状況などは報道されないことも多く、法的に“前科あり”とはならない場合もあります。つまり、「報道された=確定した犯罪歴」というわけではないのです。([turn0search28][turn0search25])
ネット情報だけに依存するリスクと注意点
インターネット上には、報道記事、SNS、掲示板、過去の裁判記録のスナップなどさまざまな情報が混在しています。しかし、それらは消去されたり、名前の一致だけで同一人物と断定されたりするケースが少なくありません。([turn0search33][turn0search32])
とくに、珍しい名前や珍しい漢字であっても、同姓同名の可能性、報道の誤報、名前の表記ゆれ(旧字体・別字体など)などを考慮すると、「あの人に間違いない」と確信するのは難しいのです。
結論 ― “確実な方法”はほとんどない:慎重な判断と心のケアを
残念ながら、日本では第三者が公的に「その人が逮捕されたか」「前科があるか」を確かめるのは、基本的に不可能です。また、ネット上の報道情報だけでは、同一人物かどうかを“断定”するのは非常に危うい行為です。
もし衝撃を受けたのであれば、感情を整理する時間を持ち、必要なら専門家に相談することも検討してください。そして、事実確認に固執するあまり、自身やまわりの人間関係を傷つけないよう、慎重に、そして穏やかに対応するのが望ましいでしょう。
最終的に「確実に本人か」を知るには、当人の同意のもとで、法的な証拠・記録を確認するしかありません。それなしに「多分あの人だ」と断言するのは、多くの誤解とトラブルのもとになりかねません。


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