海外で発生したマグニチュード7以上の地震でも、日本国内で震度1程度の揺れしか観測されない理由について解説します。
震度とマグニチュードの違いとは?
まず、震度とマグニチュードは異なる指標であることを理解することが重要です。震度は地震の揺れの強さを示すもので、日本気象庁が定めた震度階級(0〜7)で表されます。一方、マグニチュードは地震の規模、すなわち地震が発生した際に放出されたエネルギーの大きさを示す指標で、リヒタースケールやモーメントマグニチュード(Mw)などで表されます。
震度1の揺れが観測される理由
マグニチュード7以上の地震が海外で発生しても、日本国内で震度1程度の揺れしか観測されない主な理由は以下の通りです。
- 震源地との距離:地震の震源地が日本から遠く離れている場合、地震波が日本に到達する頃にはエネルギーが減衰し、揺れが弱くなります。
- 地震波の伝播特性:地震波は地球内部を伝播する際、地質構造や地形によってその伝わり方が変化します。例えば、海底を伝わる地震波は陸上を伝わるものと比べて減衰しやすいです。
- 地震の発生メカニズム:地震の発生する場所や方式(例えば、海溝型地震や内陸型地震)によっても、地震波の伝播特性が異なり、遠くの地域での揺れに影響を与えます。
具体的な事例
例えば、2024年1月1日に発生した石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震では、震源地に近い石川県志賀町や輪島市で震度7を観測しましたが、東京などの遠方では震度1程度の揺れしか観測されませんでした。これは、震源地からの距離や地震波の伝播特性によるものです。
まとめ
マグニチュードが大きい地震でも、震源地が遠く、地震波が日本に到達する頃にはエネルギーが減衰しているため、国内での揺れが弱くなることがあります。地震の影響を正確に理解するためには、震度とマグニチュードの違いや地震波の伝播特性を考慮することが重要です。
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