マイナンバーカードには、実は「カード本体」とICチップに搭載された「電子証明書」という2種類の有効期限があります。そのため、マイナ保険証を利用している人にとって分かりにくいのが、どちらか、あるいは両方の有効期限が切れた場合に病院や薬局で使えるのかという問題です。
厚生労働省とデジタル庁は、電子証明書の有効期限が切れた場合について、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間はマイナ保険証として利用できる措置を設けています。ただし、この3か月の特例を「カード本体の有効期限が切れた場合も、すべての機能がそのまま3か月延長される」と理解するのは正確ではありません。
カード本体の期限切れと電子証明書だけの期限切れでは扱いが異なり、カード本体の期限が切れると本人確認書類としての効力などは失われます。一方、マイナ保険証については期限切れ後も一定期間利用できる場合があるため、受診予定がある場合は資格確認書の有無も確認しつつ、できるだけ早くカードの更新手続きを進めることが大切です。[マイナンバーカード総合サイト]
- マイナンバーカードには2種類の有効期限がある
- 電子証明書だけが期限切れなら3か月間はマイナ保険証として使える
- ではカード本体まで期限切れの場合はどうなる?
- 「カード本体の期限」と「電子証明書の期限」が同じ日になる人もいる
- カード本体が期限切れになると本人確認書類としては使えない
- 期限切れから2か月なら、まず正確な満了日を確認する
- 3か月を過ぎる前に資格確認書が交付される仕組みもある
- マイナ保険証で受付できなかったらどうする?
- カード本体が期限切れなら「電子証明書だけ更新」はできないことがある
- 有効期限を過ぎていても古いカードは捨てない
- 期限切れの状態をケース別に整理
- まとめ:電子証明書の3か月特例とカード本体の期限切れは分けて考える
マイナンバーカードには2種類の有効期限がある
最初に理解しておきたいのは、マイナンバーカードには「カード本体の有効期限」と「電子証明書の有効期限」が別々に設定されていることです。
デジタル庁によると、カード発行時に18歳以上の場合、カード本体は発行から10回目の誕生日までが基本です。18歳未満の場合は発行から5回目の誕生日までとなります。一方、電子証明書は年齢にかかわらず発行から5回目の誕生日までです。なお、2022年3月31日までに交付申請された20歳未満の人などには異なる扱いがあります。[デジタル庁・マイナンバーカードおよび電子証明書の有効期限]
| 種類 | 主な有効期限 | 主な用途 |
|---|---|---|
| マイナンバーカード本体 | 18歳以上で発行:10回目の誕生日まで | 本人確認書類など |
| 電子証明書 | 発行から5回目の誕生日まで | マイナポータル、電子申請、コンビニ交付、オンライン本人確認など |
一般的には電子証明書のほうが先に有効期限を迎えるため、「カード自体は有効だけれど電子証明書だけ期限切れ」というケースが多く発生します。
電子証明書だけが期限切れなら3か月間はマイナ保険証として使える
電子証明書の有効期限が切れても、すぐに病院でマイナ保険証が一切利用できなくなるわけではありません。厚生労働省では、電子証明書の有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、引き続きマイナ保険証として利用可能としています。[厚生労働省・マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問]
例えば電子証明書の有効期限が6月15日なら、単純に9月15日までという数え方ではありません。基準になるのは「有効期限満了日が属する月の末日」であり、6月末から3か月間という扱いになります。
ただし、この期間は通常時とまったく同じ機能が利用できるわけではありません。厚生労働省によると、期限切れ後のこの期間は保険資格情報の確認はできますが、診療情報や薬剤情報などを医療機関へ提供することはできません。
ではカード本体まで期限切れの場合はどうなる?
ここが特に混同しやすいポイントです。電子証明書だけの有効期限切れと、マイナンバーカード本体そのものの有効期限切れは同じではありません。
デジタル庁は、マイナンバーカード本体の有効期限が切れると、本人確認書類として使用できなくなるほか、カードに搭載された電子証明書も使用できなくなると説明しています。[デジタル庁]
一方、マイナンバーカード総合サイトでは、新しいカードを受け取る前に旧カードの有効期限が過ぎた場合について、本人確認書類や電子証明書としての機能は利用できなくなるものの、マイナ保険証としては一定期間利用できる場合があると案内しています。[マイナンバーカード総合サイト]
したがって、カード本体まで期限切れの場合に「電子証明書だけが切れた場合とまったく同じ3か月ルールだから必ず使える」と一律に考えるのではなく、更新状況や資格確認書の交付状況を確認し、カード更新を速やかに進めるのが安全です。
「カード本体の期限」と「電子証明書の期限」が同じ日になる人もいる
カードを作った年齢などによっては、カード本体と電子証明書の有効期限が同じタイミングになることがあります。特にカード本体の有効期間が5年となっているケースでは、この状況が起こり得ます。
その場合、「電子証明書が2か月前に切れたから、3か月の猶予期間内だ」と電子証明書だけを見て判断するのではなく、カード表面に印字された本体の有効期限も確認してください。
厚生労働省も、マイナンバーカードにはカード本体と電子証明書という2種類の有効期限があることを案内し、期限が近づいた場合には更新手続きを行うよう呼びかけています。[厚生労働省・資格確認方法について]
カード本体が期限切れになると本人確認書類としては使えない
マイナ保険証として一定期間利用できる可能性があることと、「有効なマイナンバーカードとして使える」ことは別問題です。
マイナンバーカード総合サイトでは、有効期限が過ぎたカードについて、本人確認書類としての利用や電子証明書の利用ができなくなると案内しています。つまり期限切れカードを、銀行・携帯電話契約などで求められる有効な本人確認書類として当然に提示できるわけではありません。[参照]
「病院で資格確認に使えたから、身分証明書としても有効」ということにはならない点に注意しましょう。
期限切れから2か月なら、まず正確な満了日を確認する
「2か月前に切れた」という場合は、まずカード本体と電子証明書それぞれの有効期限を確認します。カード本体の有効期限はカード表面に印字されています。
また、電子証明書の期限切れ後にマイナ保険証として利用できる期間は、厳密には「期限が切れた日から90日」という意味ではありません。厚生労働省は有効期限満了日が属する月の末日から3か月間としています。[参照]
期限ぎりぎりで受診する予定がある場合は、自分で「まだ約2か月だから大丈夫」と計算するより、加入している健康保険の保険者や自治体へ確認しておくと確実です。
3か月を過ぎる前に資格確認書が交付される仕組みもある
電子証明書の有効期限が切れたまま更新されない場合、医療機関を受診できなくなることを防ぐために「資格確認書」を利用する仕組みがあります。
厚生労働省は、マイナンバーカードの電子証明書が期限切れとなった人について、資格確認書を申請によらず交付する対象として案内しています。資格確認書を医療機関や薬局の窓口へ提示すれば、マイナ保険証を使わなくても保険資格を確認してもらえます。[厚生労働省・資格確認書について]
そのため、期限切れが長期間続いている場合は、自宅に資格確認書が届いていないかも確認してください。届いていない場合や交付状況が分からない場合は、加入している健康保険の保険者へ問い合わせるとよいでしょう。
マイナ保険証で受付できなかったらどうする?
期限切れのカードを医療機関の顔認証付きカードリーダーへ入れても、状況によっては正常に受付できない場合があります。その場合も、保険資格が有効なのに直ちに医療費を全額自己負担しなければならないとは限りません。
厚生労働省は、マイナ保険証で受付できない場合について、資格確認書をはじめとした別の資格確認方法を案内しています。[厚生労働省・資格確認方法]
受診日が近い場合は、資格確認書など手元にある書類を持参し、受付でカード本体と電子証明書が期限切れであることを伝えるとよいでしょう。
カード本体が期限切れなら「電子証明書だけ更新」はできないことがある
カード本体がまだ有効で、電子証明書だけ期限切れの場合は、住民登録している市区町村窓口で電子証明書の更新・再発行手続きを行います。
しかしカード本体そのものが有効期限を迎えている場合は、カード本体の更新が必要です。デジタル庁では、カード本体の更新について、事前に申請した後、交付通知書などを持って市区町村窓口で新しいカードを受け取る流れを案内しています。[デジタル庁・更新手続]
カード更新には新しいカードが交付されるまで時間がかかる場合があるため、受診予定があるなら更新手続と並行して、資格確認書などで受診できる状態を確認しておくと安心です。
有効期限を過ぎていても古いカードは捨てない
新しいマイナンバーカードを申請したからといって、期限切れのカードを自分で切断したり廃棄したりしないようにしましょう。
マイナンバーカード総合サイトでは、新しいカードを受け取る際に更新前のカードを持参する必要があるため、交付まで大切に保管するよう案内しています。[参照]
また受診時の資格確認についても、期限切れカードが一定期間利用できる場合があります。新しいカードを受け取るまでは手元に保管してください。
期限切れの状態をケース別に整理
| 状態 | 主な扱い | 対応 |
|---|---|---|
| カード本体・電子証明書とも有効 | 通常のマイナ保険証として利用 | そのまま利用可能 |
| カード本体は有効・電子証明書だけ期限切れ | 満了月末から3か月間は資格確認可能 | 早めに電子証明書を更新 |
| カード本体も期限切れ | 本人確認書類等としては利用不可。マイナ保険証は一定期間利用できる場合あり | カード本体を更新し、資格確認方法も確認 |
| 電子証明書期限切れから3か月超 | 通常のマイナ保険証受付ができなくなる | 更新または資格確認書を利用 |
| 資格確認書が届いている | 資格確認書で保険診療を受けられる | 医療機関・薬局へ提示 |
特に重要なのは、「電子証明書だけの期限切れ」と「カード本体まで期限切れ」を同じものとして扱わないことです。カード表面を見て、本体の有効期限も必ず確認しましょう。
まとめ:電子証明書の3か月特例とカード本体の期限切れは分けて考える
マイナ保険証には、有効期限に関する特例があります。電子証明書の有効期限が切れた場合は、厚生労働省の制度上、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は保険資格情報を確認でき、マイナ保険証として受診できます。ただし、この期間は診療情報・薬剤情報などの提供はできません。[厚生労働省]
一方、マイナンバーカード本体まで有効期限を過ぎている場合は、本人確認書類としての効力などがなくなります。マイナンバーカード総合サイトでは、期限切れ後もマイナ保険証として一定期間利用できる場合があると案内されていますが、カード本体が切れていても、あらゆる機能が自動的に3か月延長されるわけではありません。[マイナンバーカード総合サイト]
カード本体と電子証明書の両方が2か月前に期限切れになっている場合は、受診時の資格確認方法を保険者や医療機関に確認するとともに、カード本体の更新を早めに進めるのが確実です。資格確認書がすでに交付されている場合は、それを使って受診することもできます。
「3か月あるから更新しなくてもよい」という制度ではなく、3か月の措置は更新が間に合わなかった場合にも保険診療を受けられるようにするためのものです。期限切れに気付いた時点で、住民登録している市区町村で更新手続きを進めておきましょう。

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