中国は世界最大級の原油・LNG輸入国の一つであり、その供給の多くが中東地域、特にホルムズ海峡を経由しています。この記事では、中国のイランからの原油輸入量や、ホルムズ海峡を通る中東からの原油・LNG輸入の実態、そしてホルムズ海峡を中国タンカーが通航しているかどうかについてわかりやすく解説します。
中国のイラン原油輸入量
中国は長年イラン原油の最大の買い手であり、イランからの原油輸入は中国の原油輸入全体の中で一定の割合を占めています。分析会社Kplerのデータによると、2025年に中国が輸入したイラン産原油は約1.3〜1.38百万バレル/日程度と推定されており、中国の原油輸入総量(約10〜11百万バレル/日)に対して10〜15%前後を占めるとみられています。こうした統計値は公式統計には反映されないこともあり、複数の分析会社の推計を総合して評価されます。[参照]
なお、中国は多くの原油輸入先を持つものの、イラン産は価格が割安なケースもあり、特定の独立系精製業者(いわゆる “teapots”)を通じて購入されることが多く見られました。
中東からの原油・LNG輸入とホルムズ海峡の役割
中国が輸入する原油の約半分は中東地域からのもので、その大部分がホルムズ海峡を経由しています。これは、中国全体の原油輸入量の約45%前後がホルムズ海峡を通って運ばれる計算です。中東からのLNG輸入も同様にホルムズ海峡を経由する部分が多く、天然ガス供給における中東への依存は少なくありません。[参照]
ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ重要な海上交通路であり、世界全体で1日におよそ2,000万バレル以上の原油が通過すると推定されています(世界石油消費量の約20%相当)。このため、ホルムズ海峡を通らずに輸入することは、ルートとして現実的には極めて限定的です。
中国のタンカーはホルムズ海峡を通過しているのか
通常、中国に向かう原油タンカーはホルムズ海峡を通過して、インド洋を経由して東アジアへ向かいます。これは中国国籍・外国船籍を問わず標準的な航路であり、原油・LNGの大部分がこのルートを通過します。
ただし、国際情勢の緊迫化や紛争によりホルムズ海峡周辺が危険となった場合、一部の船舶は通航を控えたり、保険上の懸念から別ルートを検討したりすることがありますが、代替ルートは大幅に距離が延びるため、広範な利用は現時点では限られています。
供給リスクと対応策
ホルムズ海峡が封鎖・通航困難となった場合、中国は備蓄やロシアなど他地域からの輸入拡大で対応する戦略を持っています。例えば、中国は大量の戦略石油備蓄(数億バレル規模)を保有しており、短期的な供給ショックに対処できます。また、ロシアからの原油輸入を増やす方針や、パイプライン輸送、シベリア経由ルートの活用なども検討されています。
さらに、再生可能エネルギーの拡大や国内エネルギー効率向上も長期的な安全保障策として進められています。
まとめ
中国はイランからの原油輸入を含め、中東からの原油・LNG輸入に大きく依存しており、その多くはホルムズ海峡を経由します。イラン原油は中国の原油輸入の1割超を占める場合もあり、戦略的な重要性があります。しかし、ホルムズ海峡の封鎖や通航困難が発生した場合、中国は備蓄や代替供給源、多角的なエネルギー戦略によってリスクに対応しようとしています。
このような依存構造とリスク管理を理解することで、世界のエネルギー市場や安全保障の動向をより深く把握することができます。

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