2025年7月9日に発生した和歌山県南方沖の地震では、発生直後に震源の深さが10kmと発表され、その後25kmへ修正されました。深さの変更によって「この地震は大陸プレート内なのか、プレート境界なのか、フィリピン海プレート内なのか」と疑問を持つ人もいるかもしれません。この記事では、震源の位置と南海トラフ周辺の地下構造をもとに、どのような場所で発生した地震なのかを分かりやすく解説します。
震源の深さが10kmから25kmに修正される理由
地震発生直後に発表される震源の深さや規模は、限られた観測データをもとに計算されます。そのため、後からより多くの観測結果を解析することで、震源位置やマグニチュードが修正されることがあります。
深さ10kmから25kmへの修正は、地震が発生した場所が大きく変わったという意味ではなく、解析精度が向上した結果、より正確な位置が分かったということです。
ただし、地下のプレート構造を見る場合、10kmと25kmでは意味が変わる場合があります。そのため、震源の深さだけでなく、周囲のプレート配置と合わせて判断する必要があります。
和歌山県南方沖周辺の地下構造とは
和歌山県南方沖は、南海トラフに近い場所に位置しています。この地域では、海側から沈み込むフィリピン海プレートと、その上にある陸側のプレートが接しています。
南海トラフ巨大地震の場合は、フィリピン海プレートが陸側プレートの下へ沈み込む境界部分が大きく動くことで発生します。
一方で、南海トラフ周辺で発生するすべての地震がプレート境界型というわけではありません。プレート内部や周辺の断層でも地震は発生します。
今回のM4.7横ずれ断層型地震はどこで起きたのか
今回の地震は「横ずれ断層型」と解析されています。横ずれ断層型とは、岩盤が水平方向にずれることで発生する地震です。
このタイプの地震であることから、南海トラフのプレート境界そのものが大きく滑った地震ではなく、周辺の岩盤内部で発生した可能性が高いと考えられます。
震源の深さが約25kmの場合、位置関係から見ると、陸側プレート(大陸プレート)内部なのか、沈み込むフィリピン海プレート内部なのかは、詳細な震源解析やプレート境界の位置によって判断されます。しかし、少なくとも昭和南海地震のようなプレート境界型巨大地震とは異なるタイプです。
フィリピン海プレート内で起きる地震との違い
沈み込むフィリピン海プレートの内部でも地震は発生します。これは、プレートが地下へ沈み込む途中で内部に力が加わり、岩盤が破壊されるためです。
プレート内部の地震では、震源が比較的深い場所になることもあり、発生する断層の動きもさまざまです。
一方、今回のような浅めの横ずれ断層型地震では、プレート境界の巨大な滑りというより、周辺の岩盤に蓄積された力が解放された地震として考えられます。
南海トラフ巨大地震との関係はあるのか
南海トラフ周辺で地震が発生すると、将来の巨大地震との関連が気になるところです。しかし、小規模な地震がすべて南海トラフ巨大地震の前兆になるわけではありません。
地震活動は、プレートの動きによって常に発生しています。M4〜5程度の地震は南海トラフ周辺でも日常的に起きている活動の一部です。
重要なのは、一つの地震だけを見るのではなく、広い範囲での地震活動やプレートの状態を総合的に観測することです。
まとめ:和歌山県南方沖M4.7地震は深さだけでは判断できない
和歌山県南方沖で発生したM4.7の横ずれ断層型地震は、震源の深さが10kmから25kmへ修正されましたが、深さだけで発生場所の種類を決めることはできません。
地震が大陸プレート内なのか、フィリピン海プレート内なのか、プレート境界なのかを判断するには、震源位置と地下のプレート構造、断層の動き方を合わせて見る必要があります。
今回の地震は、少なくとも1946年の昭和南海地震のようなプレート境界型巨大地震とは異なり、南海トラフ周辺の岩盤内部で発生した横ずれ断層型の地震として理解するのが適切です。


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