池袋、新宿、渋谷など人通りの多い場所では、知らない人から突然声をかけられることがあります。単なる道案内や軽い会話で終わるケースもありますが、断っているのに会話を続けられる、進路をふさがれる、執拗に容姿について言われる、後をついてこられるといった状況では、強い恐怖を感じることもあるでしょう。
こうした出来事については、「変わった声かけをされた=直ちに犯罪」とは限りませんが、犯罪に当たるか自分で判断できなくても、怖い、不安が残る、ほかの人にも同様の行為を繰り返していると感じた場合には警察へ相談できます。
この記事では、街中で知らない人から執拗に話しかけられた場合に、どのような行為が問題になり得るのか、110番と#9110の使い分け、その場から安全に離れる方法、記録を残す際のポイントまで整理します。
- 知らない人から声をかけられただけで犯罪になるとは限らない
- 東京都では公共の場所での卑わいな言動などを規制している
- 「無視できなかった」ことを気にする必要はない
- 怖いと感じたら相手を説得しようとしない
- 進路をふさがれたり付いてこられたりしたら警戒を強める
- 今まさに危険なら110番
- 出来事が終わった後なら#9110で相談できる
- 「ほかの女性にも同じことをしていた」という情報にも意味がある
- 相談するときに記録しておくと役立つ情報
- 相手の発言もできるだけそのまま記録する
- 防犯カメラがある可能性もある
- 相手を撮影することが直ちに犯罪になるわけではない
- YouTubeやSNS撮影の可能性があっても対応は同じ
- 一人にならないことも重要
- 店舗スタッフや駅員へ助けを求めてもよい
- やってはいけないのは相手を追跡すること
- 次回同じ人物に遭遇した場合はどうする?
- 110番と#9110の違いを覚えておく
- まとめ:犯罪か断定できなくても、怖い迷惑行為は警察へ相談できる
知らない人から声をかけられただけで犯罪になるとは限らない
公共の場所で他人に声をかけたり、褒めたり、会話を求めたりする行為そのものが、すべて犯罪になるわけではありません。内容が奇妙だったり不快だったりしても、それだけで刑事事件になるとは限らない点には注意が必要です。
一方で、相手が嫌がっていることを認識しながら執拗に付きまとう、進路をふさぐ、身体に触れる、脅す、性的に卑わいな言葉や行為をするなど、具体的な行為が加わると法的な問題になる可能性があります。
つまり重要なのは「相手が変わった人だったか」ではなく、実際にどのような行動をしたかです。犯罪に当たるかどうかは個別の状況によって判断されるため、その場で被害者自身が法律名を決める必要はありません。
東京都では公共の場所での卑わいな言動などを規制している
東京都の迷惑防止条例では、公共の場所や公共交通機関において人に対して卑わいな言動をする行為などが禁止されています。また、一定の目的のもとで、つきまとい、待ち伏せ、進路に立ちふさがるなどの行為を反復することについても規定があります。[参照:東京都 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例]
ただし、単に「かわいい」と繰り返したことだけで条例違反になると断定することはできません。言葉の内容、距離、継続性、付きまといの有無、相手が拒否した後も続けたかなどを総合的に見る必要があります。
そのため、街中で遭遇した側が「これは何罪だろう」とその場で考え込むより、怖いと感じたら安全な場所へ移動し、必要に応じて警察に事実を説明する方が現実的です。
「無視できなかった」ことを気にする必要はない
突然目の前に人が現れ、意味の分からないことを言われた場合、とっさに聞き返したり返事をしたりすることは十分あり得ます。
防犯上は知らない人との会話を長引かせない方が安全ですが、「返事をしてしまったから相手に話しかけ続ける権利が生じる」ということはありません。一度返事をした後でも、会話を終えてその場を離れて構いません。
例えば相手が会話を続けてきても、「急いでいます」「失礼します」と短く伝えて離れるか、会話せず人の多い方向へ移動する方法があります。
怖いと感じたら相手を説得しようとしない
不審な声かけを受けたとき、「やめてください」と論理的に説明すれば理解してくれるとは限りません。相手の意図が分からない場合は、会話を続けることで距離が縮まってしまう可能性もあります。
安全面では、相手とのやり取りを最小限にし、コンビニ、駅員のいる改札、百貨店、交番、店舗など、ほかの人やスタッフがいる場所へ移動する方が有効です。
友人と一緒にいる場合は、片方だけ先に離れるのではなく、できるだけ一緒に移動します。事前に「変な人に声をかけられたら二人とも離れる」と決めておくのも有効です。
進路をふさがれたり付いてこられたりしたら警戒を強める
単なる声かけから危険度が上がったと判断しやすいサインの一つが、物理的に移動を妨げられることです。
例えば前に立って進めないようにする、離れても付いてくる、店に入っても待っている、駅まで追いかけるといった行動があれば、単なる会話とは状況が変わります。
このような場合は、自宅や宿泊先へ直接向かわず、人のいる施設や交番へ移動し、必要なら110番を利用します。
今まさに危険なら110番
警視庁は、事件や事故に遭っている、あるいは目撃したなど、警察官にすぐ現場へ来てほしい場合には110番を利用するよう案内しています。[参照:警視庁 相談ホットラインのご案内]
例えば、相手が現在も付いてきている、進路をふさいでいる、身体をつかまれた、暴力を振るわれそう、脅されているといった状況なら、緊急性があります。
110番では、場所、相手の特徴、現在の状況、どちらへ移動しているかなどをできる範囲で伝えます。池袋なら駅の出口、店舗名、交差点名など、警察が場所を特定しやすい情報が役立ちます。
出来事が終わった後なら#9110で相談できる
すでに相手と離れていて緊急性はないものの、「あの行為は問題ではないか」「同じ人がほかの女性にも声をかけていた」「今後また遭遇するのが怖い」という場合は、警察相談ダイヤル#9110を利用できます。
警視庁では、犯罪や事故が現在発生していなくても、困りごとや不安について警察へ相談したい場合に#9110を利用するよう案内しています。東京都内からかけると警視庁総合相談センターにつながり、最寄りの警察署でも相談を受け付けています。[参照:警視庁 警察相談ダイヤル#9110]
「犯罪かどうか分からないから警察に相談してはいけない」ということはありません。警察庁も、犯罪に当たるか分からない場合を含め、警察に相談したい場合に#9110を利用できると案内しています。[参照:警察庁 犯罪被害相談]
「ほかの女性にも同じことをしていた」という情報にも意味がある
自分への声かけが終わった後、同じ人物が別の女性へ向かって声をかけていた場合、そのことも相談時に伝えて構いません。
一回の声かけだけでは犯罪性がはっきりしなくても、同じ場所で複数の通行人へ同様の行動を繰り返しているという情報は、警察が状況を把握するための材料になります。
ただし、「きっと犯罪者だ」「常習犯に違いない」などと推測を加える必要はありません。「自分が離れた後、別の女性の方へ歩いていき、声をかけているように見えた」というように、見た事実だけを伝えると正確です。
相談するときに記録しておくと役立つ情報
相手の写真を撮れていなくても相談はできます。むしろ危険な状況で撮影するために相手へ近づいたり、スマートフォンを向けて刺激したりする必要はありません。
覚えている範囲で、日時、場所、性別、推定年齢、服装、身長、髪型、顔を隠していた物、特徴的な言葉、どちらへ歩いていったかなどをメモしておきます。
例えば「午後3時頃、池袋駅東口付近、全身青系の服装、中年くらい、顔の一部をバンダナで隠していた」のように整理すると、後から説明しやすくなります。
相手の発言もできるだけそのまま記録する
相手が何を言ったかも重要です。記憶が鮮明なうちに、スマートフォンのメモなどへ書いておくとよいでしょう。
特に、断った後も会話を続けたこと、何度も同じ言葉を繰り返したこと、耳元へ近づくような動作をしたことなどは、状況を説明する材料になります。
感想として「怖かった」ことも伝えて構いませんが、それとは別に、具体的に何をされたかを書き残しておくと相談がスムーズです。
防犯カメラがある可能性もある
池袋駅周辺や大型商業施設、店舗の前などには防犯カメラが設置されている場合があります。
個人が自由に映像を閲覧できるわけではありませんが、警察が必要と判断した場合には捜査や確認の材料になる可能性があります。
そのため相談時には、「どの店の前だったか」「駅のどの出口だったか」など、できるだけ場所を具体的にしておくことが役立ちます。
相手を撮影することが直ちに犯罪になるわけではない
街中で他人を撮影したら必ず犯罪になる、という単純なルールではありません。公共の場所での撮影については、撮影方法、目的、場所、被写体との関係、その後の利用方法などによって法的評価が異なります。
ただし、防犯目的だからといって無理に撮影する必要もありません。相手にスマートフォンを向けることで怒らせたり、近づかれたりする可能性があるため、安全確保を優先します。
また撮影した画像をSNSへ投稿して「この人は犯罪者です」などと断定的に拡散すると、別の法的トラブルにつながる可能性があります。記録が必要な場合は、まず警察への相談資料として扱う方が安全です。
YouTubeやSNS撮影の可能性があっても対応は同じ
街中ではドッキリ動画やインタビューなどの撮影が行われることもあります。しかし、カメラが見えなかったから撮影ではない、あるいは撮影だったから問題ない、と単純には判断できません。
仮にコンテンツ撮影だったとしても、相手が恐怖を感じるような接触や迷惑行為が当然に許されるわけではありません。
その場では撮影の有無を確認しようとせず、「怖い」「離れたい」と思った段階で距離を取ることを優先しましょう。
一人にならないことも重要
不審な人物に声をかけられた後は、できれば友人と合流したまま行動します。
相手から離れた直後に一人で細い道や人気のない場所へ入るより、駅、百貨店、家電量販店、飲食店など人が多い場所で一度状況を確認する方が安全です。
もし友人とはぐれてしまった場合も、スマートフォンで「今ここにいる」と連絡し、人目のある場所で待ち合わせるようにします。
店舗スタッフや駅員へ助けを求めてもよい
警察を呼ぶほどか迷う状況でも、店舗スタッフや駅員へ「知らない人にしつこく話しかけられていて怖い」と伝える方法があります。
商業施設内であれば警備員を呼んでもらえることがありますし、駅構内なら駅員が対応できる場合があります。
「この程度で助けを求めていいのかな」と考えるより、安全を確保するために周囲の人を利用することが大切です。
やってはいけないのは相手を追跡すること
自分が逃げられた後、「他の人にも同じことをするか確認したい」と相手を追いかけるのは避けましょう。
相手に気付かれて逆に付いてこられたり、トラブルになったりする可能性があります。
ほかの人への被害が心配なら、自分で監視するのではなく、相手の特徴と場所を警察や施設スタッフへ伝える方が安全です。
次回同じ人物に遭遇した場合はどうする?
同じ人物を再び見かけても、こちらから声をかけたり問い詰めたりする必要はありません。
相手がこちらへ向かってきたら距離を取り、店舗や駅へ移動します。再びしつこく声をかけられたり付いてこられたりした場合は、以前にも同様のことがあったと警察へ伝えるとよいでしょう。
同一人物による行為が繰り返される場合は、日時と場所を毎回記録しておくことも有効です。
110番と#9110の違いを覚えておく
| 状況 | 連絡先 |
|---|---|
| 今まさに付いてこられている | 110番 |
| 進路をふさがれて逃げられない | 110番 |
| 暴力・脅迫・身体接触などの危険がある | 110番 |
| すでに相手から離れている | #9110または最寄りの警察署 |
| 犯罪か分からないが不安が残っている | #9110または最寄りの警察署 |
| 同じ人物が繰り返し迷惑行為をしているように見える | #9110または最寄りの警察署へ情報提供・相談 |
警視庁も、緊急の事件・事故については110番、犯罪や事故が発生していない段階の悩みや心配事については#9110を案内しています。[参照:警視庁]
まとめ:犯罪か断定できなくても、怖い迷惑行為は警察へ相談できる
街中で知らない人から突然奇妙な言葉をかけられたり、容姿について執拗に話されたりしたとしても、その事実だけで直ちに犯罪だと断定できるわけではありません。
しかし、相手が拒否の意思を無視して会話を続ける、距離を詰める、進路をふさぐ、追いかける、身体に触れる、卑わいな言動をするといった事情が加われば、問題となる可能性があります。
最も大切なのは、その場で罪名を判断することではなく、怖いと感じた時点で相手から離れて安全を確保することです。店舗、駅、交番など人のいる場所へ移動し、現在も危険が続いているなら110番を利用します。
すでに出来事が終わっていても、「ほかの女性にも同様の声かけをしていた」「また遭遇するのが不安」「犯罪か分からないが警察に情報を伝えたい」という場合には#9110や最寄りの警察署へ相談できます。警察庁も、犯罪に当たるか分からない場合を含めて警察相談専用電話を利用できると案内しています。[参照:警察庁]
写真がなくても相談は可能です。日時、場所、服装、顔を隠していた物、特徴的な発言、相手が向かった方向など、覚えている事実を記録しておくと役立ちます。撮影や追跡のために危険を冒す必要はありません。安全に離れたうえで、必要な情報だけを警察へ伝えるのが適切な対応です。


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