中東からの原油輸送が世界経済に与える影響は非常に大きく、“紅海ルート”や“スエズ運河ルート”がどれだけの原油を運べるかは注目されています。特にホルムズ海峡の混乱時など、主要航路が使えない場合の代替輸送能力について、実際の輸送量データや比率を基に解説します。
紅海ルートとは何か?
紅海ルートは、中東(ペルシャ湾)から原油を輸出する際に、ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡を経て紅海に入り、スエズ運河方面へ抜ける航路を指します。ここには船舶だけでなく、SUMEDパイプラインのような陸上経由の輸送ルートも含まれます。
このルートを通る原油・石油製品の輸送は世界の海上貿易原油の重要な部分です。例えば、2023年にはこのルートを通じた原油輸送が世界の約12%を占めていました。[参照] (EIA)
主要輸送量と割合の実例
2025年時点のデータでは、スエズ運河とSUMEDパイプラインを通じた原油や石油製品の輸送量は1日あたり約4.9百万バレルに達しました。また、バブ・エル・マンデブ海峡経由の輸送量も約4.2百万バレル/日となっています。[参照] (EIA)
これらの輸送量は世界の全海上原油貿易の約6〜12%と推定されており、輸送ルート全体の一部と考えることができます。
代替ルートとしての限界
主要な航路が機能不全になる状況では、紅海ルートや陸上パイプラインが代替手段になりますが、その輸送能力には限界があります。現在の東西パイプラインなどを利用した陸路輸送は、理論上最大でホルムズ海峡経由の量の30〜40%程度の代替能力と試算されることもあります。[参照]
これは、世界最大の海上輸送量(ホルムズ海峡経由が約20%)と比べると輸送量が大きく下回ることを意味します。
実際の動きと最近の例
最近の報道では、ホルムズ海峡が混乱した際にサウジアラビアが東西パイプラインを通じて紅海ヤンブー港から原油を輸出している例があり、2026年3月には日量約3.8百万バレルの輸出が見込まれました。これは代替ルートとしてかなりの輸送能力を示していますが、まだ主要ルート全体を完全に代替できるものではありません。[参照]
ただし、このような代替輸送は一時的対応としての意味合いが強く、安定性や費用面で制約があります。
まとめ:紅海ルートで運べる原油のシェア
紅海ルートや関連する輸送手段(スエズ運河・SUMEDパイプライン経由)は、世界の海上原油輸送の約6〜12%を担っています。また、陸上パイプラインを含む代替方法は、理論上ホルムズ海峡ルートの輸送量の30〜40%程度を補える可能性がありますが、完全な代替には至りません。
このような知識は、原油輸送の脆弱性やリスクを理解し、地政学的な変化に備えるうえで役立つでしょう。


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