かつて青山学院大学厚木キャンパスがあった神奈川県厚木市の土地は、現在、日産自動車の研究開発関連施設として活用されています。最寄り駅から距離があり、公共交通の利便性が高いとは言えない場所ですが、なぜ大手自動車メーカーが研究所の立地として選んだのでしょうか。実は、研究開発拠点には一般的なオフィスとは異なる立地条件が求められます。この記事では、企業が研究施設の場所を選ぶ際の考え方をわかりやすく解説します。
研究所は「駅近」である必要が必ずしもない
一般的なオフィスであれば通勤のしやすさが重要視されますが、研究所や開発拠点では優先順位が異なります。
自動車メーカーの研究施設では、大規模な実験設備、試験車両の出入り、機密性の高い開発環境が必要になるため、都心の駅前よりも広い土地を確保しやすい郊外の方が適している場合があります。
交通利便性よりも、土地の広さ・静かな環境・車両アクセスのしやすさが重視されるケースは珍しくありません。
なぜ厚木エリアだったのか?考えられる立地条件
厚木エリアには、自動車メーカーの研究開発拠点として魅力的な条件があります。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 広大な敷地 | 試験設備や研究棟を配置しやすい |
| 高速道路アクセス | 東名高速などで車両移動がしやすい |
| 首都圏との距離 | 本社や取引先との連携が可能 |
| 周辺環境 | 騒音や実験環境への配慮がしやすい |
研究所は社員が電車通勤しやすいことだけでなく、実験車の運用や物流の効率も重要になります。
大学跡地は企業にとって魅力的なケースがある
大学キャンパス跡地は、企業にとって条件の良い不動産になることがあります。
もともと大規模施設として設計されているため、敷地がまとまっており、インフラもある程度整っていることが多いためです。
特に研究施設では、細切れの土地より一体型の広い敷地の方が使いやすい傾向があります。
既存の建物や土地利用条件によっては、開発コストを抑えられることもあります。
「交通の便が悪い」は本当に弱点なのか
利用者目線では不便に感じても、自動車メーカーにとっては別の見方があります。
自家用車でのアクセスが前提なら、駅から遠いことは致命的な欠点ではありません。
むしろ、都市部の渋滞や土地コスト、拡張性の低さを考えると、郊外の方が合理的な場合もあります。
研究開発拠点では「人の移動」より「車両・設備・実験環境」の方が優先されることがあります。
自動車メーカーの研究拠点に共通する立地傾向
国内外の自動車メーカーを見ると、研究施設は都市中心部より郊外や広い用地のある場所に置かれることが少なくありません。
理由は、試験コース、安全評価設備、電動化開発設備など、年々大規模な施設が必要になるためです。
オフィスビルのような発想ではなく、工場や技術センターに近い考え方で立地が選ばれています。
まとめ
青山学院大学厚木キャンパス跡地のような一見交通不便な場所でも、企業の研究開発拠点としては十分に合理性があります。
広い敷地、高速道路アクセス、機密性、実験環境、将来の拡張性など、自動車メーカーならではの条件を考えると、駅近である必要は必ずしもありません。
研究所の立地は、一般的なオフィス選びとはまったく違う視点で決まっているのです。


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