転職などで新しい勤務先の健康保険(社会保険)に加入する際、以前加入していた国民健康保険の手続きが遅れると、一時的に両方の保険が存在しているように見えることがあります。
しかし、日本の公的医療保険制度では原則として複数の健康保険に同時加入することはできません。この記事では、国民健康保険と社会保険の切り替え時に起こりやすい疑問や、マイナンバーカードを利用した受診時の扱いについて解説します。
健康保険は基本的に二重加入できない
日本の健康保険制度では、会社員として社会保険の加入条件を満たした場合、勤務先の健康保険へ加入することになります。その時点で、国民健康保険の資格は失われるのが基本です。
例えば、4月1日から新しい会社で社会保険に加入した場合、4月1日以降は国民健康保険ではなく社会保険を利用することになります。
ただし、国民健康保険の脱退手続きを市区町村で行っていない場合、行政上の登録が残っているため、本人から見ると「国保と社保の両方に入っている」ような状態になることがあります。
マイナンバーカードで受診するとどの保険が使われるのか
マイナンバーカードを健康保険証として利用する場合、医療機関ではオンライン資格確認によって、その時点で有効な健康保険資格を確認します。
実際には、二つの保険を自由に選択して使うわけではありません。最新の資格情報として登録されている健康保険が確認され、その保険が適用されます。
例えば、会社の社会保険に加入した後で国民健康保険の脱退手続きが済んでいない場合でも、社会保険の資格取得情報が反映されていれば、通常は社会保険での受診になります。
国保の脱退手続きをしないと起こる問題
社会保険へ加入した後は、国民健康保険の脱退手続きを自分で行う必要があります。会社が自動的に国保をやめる手続きをしてくれるわけではありません。
手続きをしないままにすると、自治体から国民健康保険料の請求が続く場合があります。また、誤って国民健康保険を使った場合、後から医療費の返還を求められることがあります。
例えば、4月から会社の健康保険に加入しているのに、5月に国保の資格で病院を受診した場合、国保が負担した医療費分について精算が必要になる可能性があります。
社会保険加入後に行うべき手続き
新しい職場で社会保険へ加入した場合は、健康保険証情報が確認できるものを持って、市区町村の窓口で国民健康保険の脱退手続きを行います。
一般的には以下のような書類が必要になります。
- 新しい健康保険の資格取得を確認できる書類
- 本人確認書類
- 国民健康保険証(持っている場合)
- マイナンバーが確認できるもの
自治体によって必要書類が異なる場合があるため、事前に市区町村へ確認するとスムーズです。
転職直後の受診で気を付けるポイント
転職直後は健康保険の情報反映に時間がかかる場合があります。そのため、病院を受診する予定がある場合は、新しい健康保険の資格取得状況を確認しておくと安心です。
もし医療機関で資格確認がうまくできない場合でも、後から保険資格を確認して精算できるケースがあります。自己判断で国保と社保を使い分けることは避けましょう。
特に入社直後は、会社から健康保険の手続きが完了した日や資格取得日を確認しておくことが大切です。
まとめ
国民健康保険と社会保険は、原則として同時に加入するものではありません。新しい勤務先で社会保険に加入した場合、その日以降は社会保険が基本的な医療保険になります。
マイナンバーカードで受診する場合も、その時点で有効な健康保険資格が確認されるため、二つの保険から自由に選ぶ仕組みではありません。
転職で社会保険へ切り替わった場合は、国民健康保険の脱退手続きを早めに行い、正しい保険情報で医療機関を利用できる状態にしておくことが重要です。


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