地震が次々に起きるのは大地震の前兆?連続する地震の仕組みと正しい受け止め方を解説

地震

ニュースやスマートフォンの通知で地震情報が続くと、「最近、地震が多すぎるのでは」「もっと大きな地震の前兆ではないか」と不安になることがあります。実際、日本とその周辺では日常的に多数の地震が発生しており、大きな地震の後に同じ地域で地震活動が活発になる場合もあれば、離れた地域でそれぞれ別の地震が発生する場合もあります。

重要なのは、地震が短期間に複数回起きたという事実だけから、近いうちに巨大地震が起こると判断することはできないという点です。一方、大きな地震が起きた地域では、その後も同程度の強い揺れが発生する可能性があるため、気象庁が発表する地震活動の見通しを確認する必要があります。

この記事では、なぜ地震が次々に起こるように感じるのか、連続する地震にはどのようなパターンがあるのか、大地震の前兆と考えてよいのか、そして地震が増えたと感じたときに何をすべきなのかを、気象庁の公表情報をもとに整理します。

日本ではなぜ地震が頻繁に発生するのか

日本周辺は複数のプレートが関係する地域であり、世界的に見ても地震活動が活発です。そのため、ある地域で地震が発生した数時間後や翌日に、離れた別の地域でも地震が観測されること自体は珍しい現象ではありません。

例えば2026年8月28日には、気象庁の速報値で4時54分ごろに青森県東方沖を震源とするマグニチュード4.6、最大震度3の地震があり、同日7時13分ごろには浦河沖を震源とするマグニチュード4.4、最大震度2の地震が観測されています。[参照:気象庁・青森県東方沖の地震] [参照:気象庁・浦河沖の地震]

このように同じ日に複数の地震情報が出ると「地震が連鎖している」と感じやすくなります。しかし、発生時刻が近いことだけでは、それぞれの地震に直接的な因果関係があるとは判断できません。震源の位置、深さ、地質構造、地震活動の推移などを専門的に分析する必要があります。

大きな地震の後に地震が次々と起こることはある

一方、同じ震源域やその周辺で地震が続いている場合は、一連の地震活動として関連していることがあります。気象庁によると、大地震の震源域やその周辺では地下の力のつり合いが不安定になり、それを解消する過程で引き続き地震が発生すると考えられています。[参照:気象庁・大地震後の地震活動]

一般によく知られているのが「本震-余震型」です。大きな地震が発生した後、その震源付近で最初の地震より小規模な地震が繰り返し発生します。

ただし地震活動には、後になってさらに大きな地震が発生する「前震-本震-余震型」や、突出して大きな一つの地震がなく地震活動が活発になったり穏やかになったりする「群発的な地震活動型」もあります。そのため、単純に「最初の地震が本震で、後はすべて余震」と決めつけることもできません。

「前震だった」と分かるのは大きな地震が起きた後

地震について誤解されやすい言葉の一つが「前震」です。前震とは、一連の地震活動において最も規模の大きな地震より前に発生した地震を指します。

つまり、小さな地震が発生した時点で「これは前震です」と確実に判定できるわけではありません。その後さらに大きな地震が発生して初めて、結果として先に発生していた地震を前震と呼べる場合があります。

気象庁も、発生している地震活動が本震-余震型なのか、前震-本震-余震型なのかなどは、一連の活動が終わるまで判別できないと説明しています。[参照:気象庁・地震活動のパターン]

地震が多いから「もうすぐ巨大地震」とは判断できない

短期間に地震が続くと、「巨大地震の前触れではないか」という情報がSNSなどで広がることがあります。しかし、地震の回数が増えたという情報だけから、特定の日・場所・規模の大地震を予知することはできません。

気象庁は地震予知について、地震が発生する時、場所、大きさを精度よく限定して予測することは、現在の科学的知見では難しいと説明しています。[参照:気象庁・地震予知について]

したがって、「地震が3回続いたから次は大地震」「特定の日に巨大地震が来る」といった単純な法則はありません。SNS上の予言より、気象庁や自治体など公的機関が発表する情報を確認することが重要です。

ただし大地震の直後は次の強い揺れに注意する

「地震を正確に予知できない」ことと、「大きな地震の後も警戒する必要がない」ことは全く別です。大きな地震が起きた直後には、その震源周辺で再び強い揺れが発生する可能性があります。

気象庁は、大きな地震の後は1週間程度、最初の大地震と同程度の地震に注意することが基本と説明しています。特に最初の2~3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多いとされています。[参照:気象庁・大地震後の防災上のポイント]

実例として2016年の熊本地震では、4月14日にマグニチュード6.5の地震が発生した後、4月16日にそれを上回るマグニチュード7.3の地震が発生しました。このような事例があるため、大きな地震の直後には「もう大きな揺れは終わった」と考えず、安全を確保する必要があります。[参照:気象庁・大地震後の地震活動に関するFAQ]

離れた地域の地震をすべて一つの現象として考えない

北海道で地震が起き、次に九州、さらに関東でも地震が起きたような場合、ニュースだけを並べて見ると日本全体で一斉に地震活動が活発化しているように感じることがあります。

しかし、震源が大きく離れている地震については、それぞれ異なるプレート境界、活断層、地下構造などによって発生している可能性があります。「日本で短期間に起きた」という共通点だけを根拠に、一連の地震と判断することは適切ではありません。

反対に、同じ地域の近い震源で地震が集中している場合には、一連の活動として気象庁などが分析します。ニュースを見る際には回数だけでなく、震源がどこなのか、深さはどの程度なのか、同じ活動域なのかを見ると状況を理解しやすくなります。

群発地震というパターンもある

地震活動には、一つの明確な本震を中心として余震が続くケースだけでなく、多数の地震が一定期間続く群発的なタイプがあります。

群発的な地震活動では、活動が活発になったり落ち着いたりしながら続くことがあります。そのため「昨日は少なくなったから終了した」「今日増えたから巨大地震が近い」と短期間の増減だけで判断することはできません。

実際、気象庁は2025年に活発化したトカラ列島近海の地震活動について、多数の地震が発生し、その後規模の大きな地震の回数が減少しても活動が継続したことを紹介しています。[参照:気象庁・気象業務はいま2026]

「地震が増えた気がする」と感じたらデータを確認する

地震が多いかどうかを判断するときは、体感やSNSの投稿数だけでなく、気象庁の地震情報や震度データベースを見る方法があります。気象庁では発生日時、震央地名、マグニチュード、最大震度などを公開しています。[参照:気象庁・地震情報]

例えば自分が住んでいる地域で小さな揺れが何度も続いているように感じた場合、震源が同じ場所に集中しているのか、それとも日本各地で発生した無関係な地震の情報を連続して目にしているだけなのかを区別できます。

地震情報を頻繁に見るようになると、それまで意識していなかった小規模な地震まで目につき、「急に地震が増えた」と感じることもあります。客観的なデータを確認することは、不必要な不安を減らす意味でも役立ちます。

地震が続くときこそ「予言」ではなく備えを確認する

将来の地震がいつ発生するのかを個人が正確に判断することはできません。そのため、「次の地震を当てる」ことよりも、いつ地震が発生しても困らない状態を作っておくほうが実用的です。

具体的には、家具の転倒防止、寝室周辺の安全確保、非常用飲料水・食料・携帯トイレ・モバイルバッテリー・ライトなどの確認、家族との連絡方法や避難場所の共有をしておきます。海岸付近にいる場合は、強い揺れや長く続く揺れを感じた際の津波避難経路も確認しておくことが重要です。

特に大きな地震の直後は、家具や建物、斜面などが最初の揺れで弱くなっている可能性があります。続く地震によって被害が拡大することもあるため、危険な場所へ不用意に近づかないことも重要な防災行動です。

SNSの「大地震が来る」という情報には注意する

地震が続く時期には、「この地震は巨大地震の前兆」「○日に大地震が発生する」といった投稿が急増しやすくなります。しかし、日時・場所・規模を限定した確度の高い地震予知は、現在の科学では困難です。

特に、地震雲、動物の行動、体調の変化、著名人や占いによる日付指定などを根拠に、大地震の発生日時を断定する情報には慎重になる必要があります。

不安になる情報を見つけた場合は拡散する前に、気象庁の地震情報や自治体の防災情報を確認します。[参照:気象庁・あなたの街の防災情報]

まとめ:地震が続いても巨大地震の発生を単純には予測できない

日本ではもともと地震活動が活発であり、短期間に複数の地震が観測されることがあります。また、大きな地震の震源周辺では地下の力のバランスが変化するため、その後も地震活動が活発になることがあります。

ただし、「最近地震が多い」という事実だけを理由に、特定の地域で近いうちに巨大地震が発生すると結論づけることはできません。前震かどうかも、その時点で確実に判断できるものではありません。

一方で、大きな地震が発生した地域では、その後1週間程度、特に最初の2~3日程度は再び大きな揺れが発生する可能性を意識する必要があります。地震が続いて不安を感じたときには、SNS上の予言を追いかけるより、気象庁の最新情報を確認し、家具の固定、備蓄、避難場所、津波避難経路などを点検することが最も現実的な対応です。

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