地震が全くない国はある?世界の地震が少ない国と日本で地震が多い理由をわかりやすく解説

地震

日本で暮らしていると地震は身近な自然現象ですが、世界に目を向けると地震をほとんど経験しない地域もあります。そのため、世界のどこかには「地震が全くない国」が存在するようにも思えます。

しかし地球全体を長い時間軸で考えると、将来にわたって地震が絶対に発生しないと断言できる国を挙げることは困難です。一方で、プレート境界から離れているなどの理由によって、日本と比較して地震活動が非常に低い国や地域は存在します。

この記事では、そもそも地震がなぜ起こるのか、日本で地震が多い理由、世界の地震が比較的少ない地域、「地震が少ない」と「地震がない」の違いまで整理して解説します。

「地震が全くない国」と断言するのは難しい

地震というと大きな揺れを想像しがちですが、人間が感じないほど小さな地震も世界各地で発生しています。そのため、日常生活でほとんど地震を感じない国であっても、それだけで地震が一切発生していないとはいえません。

また地震はプレート境界だけで起こるわけではありません。プレート内部でも、地下に存在する断層などに力が加わることによって地震が発生する場合があります。

したがって正確には「地震が全くない国」を探すより、「地震活動が非常に低い地域」を考えるほうが適切です。

そもそも地震はなぜ発生するのか

地球の表面を覆う岩盤は一枚につながっているわけではなく、複数の「プレート」に分かれています。これらのプレートは非常にゆっくりと動いており、境界付近ではプレート同士が沈み込んだり、離れたり、横方向にずれたりしています。

こうした運動によって岩盤に力が加わり、蓄積されたひずみに岩盤が耐えられなくなると、断層が急激にずれ動きます。そのとき発生する振動が地震波となって周囲へ伝わり、地面の揺れとして観測されます。

世界の地震分布を見ると、多くの地震がプレート境界周辺に集中しています。ただしプレートの内部にも断層が存在するため、プレート境界から遠ければ地震が絶対に発生しないというわけではありません。

日本で地震が多いのは複数のプレートが関係するため

日本列島周辺は、太平洋プレートやフィリピン海プレートなど複数のプレートが関係する非常に複雑な場所に位置しています。そのため世界的に見ても地震活動が活発な地域の一つです。

例えば日本海溝周辺では太平洋プレートが沈み込んでおり、その境界では巨大地震が発生することがあります。一方、日本列島の陸域や沿岸部には多数の活断層があり、内陸型の地震も発生します。

つまり日本で地震が多いのは偶然ではなく、地震が発生しやすい地質学的な条件が重なっているためです。

世界には日本より地震がかなり少ない地域がある

世界の地震活動には大きな地域差があります。一般的にプレート境界から離れた大陸内部には、地震活動が比較的低い地域があります。

例えばオーストラリア大陸の多くの地域は、環太平洋地域などと比較するとプレート境界から離れています。またアフリカや南米、北欧などにも、地震活動が比較的低い地域があります。

ただし、これは各国の全域が安全という意味ではありません。同じ国でも地域によって地質条件が異なるため、国単位ではなく地域単位で地震リスクを考える必要があります。

オーストラリアにも地震は発生する

オーストラリアは「地震が少ない国」の例として挙げられることがあります。日本のような非常に活発なプレート境界上ではないため、日本と比べれば地震活動は低い地域です。

しかし、オーストラリアでも地震は発生しています。大陸内部の岩盤にも応力が加わっており、既存の断層などが動くことで地震が起きることがあります。

この例からも、「プレート境界から遠い=地震がゼロ」ではないことが分かります。

ブラジルなど南米大陸東部も比較的地震が少ない

南米ではチリやペルーなど太平洋側で大規模な地震が発生することがあります。これは南米大陸の西側に活発なプレート境界が存在するためです。

一方、南米大陸東部に位置するブラジルの大部分は、その活発なプレート境界から離れています。このためチリなどと比較すると地震活動はかなり低くなります。

それでもブラジル国内で地震が観測されることはあります。「ブラジルには地震がない」と表現するより、「大規模な地震が比較的少ない地域」と理解するほうが正確です。

北欧にも地震活動が比較的低い地域がある

フィンランドなど北欧の一部も、日本などと比較すれば地震活動が低い地域として知られています。

ただし北欧でも小規模な地震は発生します。またスカンディナヴィア周辺では、過去の氷河によって押し下げられていた地殻が現在もゆっくり戻る「氷河性地殻均衡」の影響など、プレート境界以外の要因も地殻活動に関係しています。

地震の原因は単純に「プレート境界があるかないか」だけでは説明できない点が重要です。

地震が少ない地域でも大きな地震が起きる可能性はある

過去数十年間に大きな地震がなかった地域でも、将来の大地震が絶対にないとは限りません。地質学では数百年、数千年、場合によってはさらに長い時間を考える必要があります。

例えば、ある断層が数千年に一度しか大きく動かない場合、人間の一生では「地震がない土地」に見える可能性があります。しかし長期的には地震が発生する可能性があります。

そのため「過去50年間に大地震がなかった」という情報と、「地震が発生する能力がない」ということは区別する必要があります。

地震の多さは「国」ではなく「地域」で見るほうが正確

地震リスクを比較するときに注意したいのが、国境と地質構造は一致しないという点です。国境は人間が決めたものですが、プレートや断層は国境とは無関係に分布しています。

例えば非常に国土が広い国では、ある地域では地震がほとんど発生しない一方、別の地域では地震リスクが高いことがあります。

そのため旅行先や移住先などの地震リスクを調べるのであれば、「○○国は地震が少ない」という情報だけではなく、都市や地域ごとの地震ハザードを確認することが重要です。

「地震が少ない」と「地震被害が少ない」も別の話

地震そのものの発生頻度と、地震による被害の大きさも分けて考える必要があります。

例えば地震の発生頻度が低い地域でも、耐震性の低い建物が多ければ、まれに発生した地震によって大きな被害が出る可能性があります。反対に地震が多い地域でも、耐震基準や防災体制が整備されていれば被害を抑えられる場合があります。

したがって「地震が少ない国だから安全」と単純に判断するのではなく、地震ハザード、建築物の耐震性、津波リスク、防災体制などを総合的に見る必要があります。

世界の地震分布を見ると地域差がよく分かる

世界の地震分布を地図上で見ると、地震がランダムに発生しているわけではなく、帯状に集中していることが分かります。

特に太平洋を取り囲む地域には地震や火山活動が多く、「環太平洋火山帯(Ring of Fire)」と呼ばれています。日本、インドネシア、ニュージーランド、アラスカ、北米・南米の太平洋沿岸などがこの地域に含まれます。

一方、プレート境界から離れた大陸内部では地震の密度が低くなる傾向があります。ただし地震が完全にゼロになるわけではありません。

地震リスクを調べるなら公的機関のデータを利用する

世界の地震について調べる場合には、SNSや個人の経験だけではなく、各国の地震観測機関や研究機関が公開しているデータを利用すると信頼性が高まります。

例えば米国地質調査所(USGS)は世界各地の地震情報や地震ハザードに関する資料を公開しています。また日本国内については気象庁や地震調査研究推進本部などから地震に関する情報を確認できます。

地震活動は継続的に観測されています。「この国では地震を聞いたことがない」という印象だけではなく、観測記録やハザードマップを確認することが大切です。

まとめ:地震が「絶対にない国」より地震が「非常に少ない地域」があると考える

世界には、日本と比較して地震活動が非常に低い国や地域があります。プレート境界から離れた大陸内部などでは、大きな地震を経験する頻度がかなり低い場所もあります。

しかし、地震が将来にわたって全く発生しないと保証できる国を挙げることはできません。プレート内部でも断層が動くことで地震が発生する可能性があり、人間が感じない小さな地震も存在するためです。

そのため世界の地震を比較するときは「地震がある国・ない国」という二択ではなく、「どの地域で、どの程度の規模の地震が、どのくらいの頻度で起こる可能性があるのか」という視点で考えるのが適切です。特定の地域の安全性を知りたい場合は、最新の地震観測データや地震ハザード情報を確認すると、より正確に判断できます。

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