マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」は、医療機関や薬局で保険資格をオンラインで確認できる仕組みです。初めて利用するときに迷いやすいのが、「事前にマイナポータルなどで登録しておかなければ病院で使えないのか」という点です。
結論から整理すると、マイナンバーカードをマイナ保険証として利用するには健康保険証利用の登録が必要ですが、対応する医療機関・薬局なら受付の顔認証付きカードリーダーで初回登録ができます。そのため、利用登録をまだしていない状態でマイナンバーカードを病院へ持参し、受付時にその場で登録することも可能です。
この記事では、マイナ保険証の利用登録が必要な理由、病院で初めて使う場合の流れ、事前に登録する方法、受付でうまく資格確認できない場合の備えまで、厚生労働省やデジタル庁の案内をもとに整理します。
- マイナンバーカードを持っているだけではマイナ保険証にならない
- 事前登録していなくても病院の受付で登録できる
- 病院で初回登録するときの基本的な流れ
- 本人確認は顔認証または暗証番号などで行う
- 事前に登録しておきたい場合は3つの主な方法がある
- マイナポータルなら登録済みか確認できる
- マイナ保険証を使える医療機関か確認しておく
- 2026年現在、従来の健康保険証は原則として使えない
- カードリーダーで資格確認できなかった場合はどうする?
- 「資格情報のお知らせ」と「資格確認書」は別物
- 電子証明書の有効期限にも注意する
- スマートフォンをマイナ保険証として使える医療機関も増えている
- まとめ:利用登録は必要だが、対応する病院ならその場で登録できる
マイナンバーカードを持っているだけではマイナ保険証にならない
まず押さえておきたいのは、「マイナンバーカードを持っていること」と「マイナ保険証として利用できること」は同じではないという点です。
厚生労働省は、健康保険証利用登録をしたマイナンバーカードを「マイナ保険証」と案内しています。つまり、マイナンバーカードを取得しただけではなく、健康保険証として利用するための登録が必要です。[参照:厚生労働省「資格確認方法について」]
ただし、ここでいう「登録が必要」というのは、必ず自宅で事前登録しなければならないという意味ではありません。利用登録には複数の方法があり、対応している医療機関や薬局の受付でも手続きできます。
事前登録していなくても病院の受付で登録できる
デジタル庁によると、医療機関・薬局に設置されている顔認証端末は、マイナ保険証の利用登録の有無にかかわらずマイナンバーカードを使った受付操作ができます。
すでに利用登録済みなら通常の受付画面に沿って進みます。一方、未登録の場合は自動的に利用登録画面へ切り替わり、その場でマイナ保険証の利用登録を行うことができます。[参照:デジタル庁「マイナンバーカードの健康保険証利用について」]
したがって、「まだ一度も登録していないから、先に役所へ行かなければならない」というわけではありません。顔認証付きカードリーダーが設置されている対応医療機関なら、初めて利用する日にマイナンバーカードを持参して登録する方法があります。
病院で初回登録するときの基本的な流れ
医療機関や薬局で登録する場合は、受付付近に設置されている顔認証付きカードリーダーを利用します。マイナンバーカードをカードリーダーに置き、画面に表示される案内に従って操作します。
未登録の場合は、マイナンバーカードを健康保険証として登録するための画面が表示されます。そこで利用登録を行った後、本人確認や医療情報提供に関する同意選択などを進めます。[参照:マイナポータル「保険証等利用の登録方法」]
例えば初診のクリニックへ行き、まだ利用登録をしたことがなかったとしても、対応する顔認証付きカードリーダーがあれば、その場で登録して受付へ進めるという仕組みです。
本人確認は顔認証または暗証番号などで行う
マイナ保険証を利用するときは、カードリーダーで本人確認を行います。顔認証付きカードリーダーの場合は、基本的に顔認証または4桁の暗証番号による本人確認が利用できます。
顔認証では、マイナンバーカードのICチップ内に記録されている顔写真データと、受付時に撮影した顔を照合します。暗証番号を使う場合は、マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書の4桁の暗証番号を入力します。
本人確認後には、診療・薬剤情報などを医師や薬剤師へ提供することについて画面上で同意を選択し、受付を完了します。[参照:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問」]
事前に登録しておきたい場合は3つの主な方法がある
病院で初回登録することはできますが、「診察当日に慌てたくない」「あらかじめ登録できていることを確認しておきたい」という場合は事前に手続きを済ませておくこともできます。
主な利用登録方法は次の3つです。
- 医療機関・薬局の顔認証付きカードリーダーで登録する
- マイナポータルから登録する
- セブン銀行ATMから登録する
厚生労働省も、この3種類をマイナ保険証の利用登録方法として案内しています。[参照:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用方法」]
マイナポータルなら登録済みか確認できる
「以前登録したような気がするけれど覚えていない」という場合は、改めて登録する前にマイナポータルで確認できます。
マイナポータルへログインし、「健康保険証」のページを確認すると、マイナンバーカードの保険証利用が登録済みか確認できます。登録されている場合は「登録済」と表示されます。[参照:マイナポータル]
過去に病院のカードリーダーで手続きをしたことがある人など、登録状況が曖昧な場合には、この方法で事前確認しておくと安心です。
マイナ保険証を使える医療機関か確認しておく
マイナンバーカードを持っていけば、どの医療機関でも必ず同じ方法で受付できるとは限りません。厚生労働省は、マイナンバーカードによる受付について、対応する医療機関・薬局で利用する仕組みとして案内しています。
普段利用している病院なら受付付近に「マイナ受付」などの案内や顔認証付きカードリーダーが設置されていることがあります。初めて行く医療機関で心配な場合は、公式サイトや厚生労働省の案内で対応状況を確認しておくとスムーズです。
また、カードリーダーの不具合などでオンライン資格確認がうまくできない場合も想定されます。初めて利用するときは、後述する「資格情報のお知らせ」などについても知っておくと安心です。
2026年現在、従来の健康保険証は原則として使えない
制度変更で特に注意したいのが、従来型の健康保険証です。厚生労働省によると、従来の健康保険証の有効期限は2025年12月1日で終了しています。
さらに、有効期限切れに気付かず従来の健康保険証を持参した場合の暫定的な対応も2026年7月31日で終了しています。そのため、2026年8月現在は「念のため昔の健康保険証を持っていけばよい」という考え方ではなく、マイナ保険証または資格確認書など、現在の制度に対応した資格確認方法を準備することが重要です。[参照:厚生労働省「資格確認方法について」]
マイナ保険証を保有していない人などには、当分の間「資格確認書」が無償で交付される仕組みがあります。マイナ保険証を利用しない場合は、資格確認書によって保険診療を受けることができます。
カードリーダーで資格確認できなかった場合はどうする?
マイナ保険証を登録済みでも、機器の故障や通信障害などによってオンライン資格確認ができないケースは考えられます。
厚生労働省の案内では、オンライン資格確認が導入されていない場合などには、状況に応じてマイナンバーカードとマイナポータルの資格情報画面、または「資格情報のお知らせ」を組み合わせて資格確認する方法があります。[参照:厚生労働省 よくある質問]
特に旅行先の医療機関など、普段利用していない場所で受診するときは、「資格情報のお知らせ」を手元に置いておく、あるいはマイナポータルで自分の資格情報を確認できるようにしておくと、万一の場合の備えになります。
「資格情報のお知らせ」と「資格確認書」は別物
名称が似ているため混同しやすいのですが、「資格情報のお知らせ」と「資格確認書」は役割が異なります。
資格確認書は、マイナ保険証を保有していない人などが医療機関の窓口で提示し、保険資格を確認してもらうためのものです。一方、「資格情報のお知らせ」は、マイナ保険証を持つ人が自分の加入情報などを確認したり、オンライン資格確認ができない場合にマイナンバーカードと組み合わせたりして利用するものです。
名称だけで判断せず、自分が持っている書類がどちらなのかを確認しておくと、病院の受付で迷いにくくなります。
電子証明書の有効期限にも注意する
長くマイナンバーカードを利用している人は、カード本体だけでなく電子証明書の有効期限にも注意が必要です。
厚生労働省によると、マイナンバーカード本体の有効期限と、カードに格納されている電子証明書の有効期限は同一ではありません。一般に電子証明書の有効期限は5年です。[参照:厚生労働省]
カードそのものが有効に見えても電子証明書の更新時期を迎えていることがあるため、市区町村から更新案内が届いた場合は内容を確認しておきましょう。
スマートフォンをマイナ保険証として使える医療機関も増えている
マイナ保険証は実物のマイナンバーカードだけでなく、対応するスマートフォンを利用する仕組みも始まっています。厚生労働省によると、2025年9月19日から準備が整った医療機関・薬局で順次スマートフォンのマイナ保険証を利用できるようになっています。
ただし、スマートフォンをマイナ保険証として使う場合には事前準備が必要で、医療機関側も対応機器を導入している必要があります。そのため、初めて訪れる医療機関では実物のマイナンバーカードを持参しておくと確実です。[参照:厚生労働省「スマートフォンのマイナ保険証利用について」]
実物カードでの受付とスマートフォンでの受付では操作方法が異なるため、スマホ利用を希望する場合は事前に対応状況を確認しておくとよいでしょう。
まとめ:利用登録は必要だが、対応する病院ならその場で登録できる
マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、マイナ保険証の利用登録そのものは必要です。しかし、その登録を必ず受診日の前までに済ませておかなければならないわけではありません。
利用登録をしていないマイナンバーカードを対応医療機関へ持参した場合でも、受付の顔認証付きカードリーダーからその場で初回登録できます。未登録の場合は登録画面へ切り替わる仕組みになっています。
もちろん、当日の手続きを減らしたい場合は、あらかじめマイナポータルやセブン銀行ATMで利用登録を済ませておくこともできます。また、すでに登録したか分からない場合はマイナポータルから登録状況を確認できます。
2026年現在は従来型の健康保険証による受診から制度が移行しているため、初めてマイナ保険証を使う場合は、受診予定の医療機関がマイナ受付に対応しているか確認したうえでマイナンバーカードを持参するとスムーズです。制度や受付方法は変更される可能性があるため、受診前には[参照:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」]で最新情報を確認することをおすすめします。


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